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2008/12/13

東京地裁が「あるある」信じて大誤判決

また、「あるある」にダマされた。

「あるある大事典Ⅱ」を制作していた日本テレワークが、番組内容をインチキと記事にした中日新聞に逆ギレして損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁が中日新聞に275万円を支払うよう命じた。
番組の内容は「手のひらを見れば悪玉コレステロールがわかる」という荒唐無稽なもの。

判決を下した笠井裁判長は、「番組を監修した大学教授が手のひら判定の有効性を主張していた(朝日)」と番組内容を鵜呑み。
「取材をすれば医学界に対立する意見があったことを認識できた。報じた内容が真実だと信じる相当の理由がない」と、訳の分からないことを話している。

→中日新聞社に賠償命令 「あるある」番組内容の報道巡り asahi.com

番組に出演した芳野原先生は、転職サイトのインタビューで舞台裏について次のように話している。

番組スタッフの「手のひらで、超悪玉コレステロールの有無が分かるのですか?」と言う質問に、「血液を採ってみないと分からない」と答えたが、まるで認めているかのように編集された。
番組に出た自称専門家3人のうち2人は皮膚科。
もう1人の先生も手のひらで悪玉コレステロールが分かるなんて論文は出してない。

→タブーなき医療特集 芳野 原 先生 「あるある大事典」はナンセンス

「あるある」が虚偽の内容をたれ流し続けていたことはご存じの通り。
そのような相手の言い分を認めてしまう裁判長には、残念ながら裁判官としての資質を疑わざるを得ない。
また、でたらめな番組を制作しておきながら、批判された中日新聞に対して逆ギレ訴訟を起こした日本テレワークには、事件を引き起こした反省というものがまったく見られない。
要求していた損害賠償の金額も2370万円と大きく、訴えることによって報道の萎縮効果を期待したSLAPPとも受け取れる。
日本テレワークの制作した番組には悪名高い細木数子の「幸せってなんだっけ」もあるが、細木に因縁の付け方でも教えてもらったのだろうか?

「あるある」事件を引き起こした関西テレビは民放連から追放されたものの、北京五輪のどさくさでなし崩し的に復帰。
制作会社の日本テレワークは逆ギレ訴訟を続けている。

問題とされた中日新聞の記事は以下の通り。

手のひら判定もウソ 捏造疑惑まだ『あるある』 (東京新聞)

 実験データの捏造(ねつぞう)が発覚して打ち切られた関西テレビ制作の情報番組「発掘!あるある大事典2」で、動脈硬化の原因物質となる超悪玉コレステロールを紹介した放送分でも「超悪玉コレステロールを持っているかどうか手のひらを見れば分かる」などと虚偽とみられる情報を流していたことが三十日、出演した学者の証言で分かった。 

 二〇〇五年六月十九日に放送された「身体の危険度シリーズ第2弾 『知られざるコレステロールの恐怖』」で、病院に行かなくても超悪玉コレステロールをチェックできるという方法を紹介。テーブルの前に座り両手を足の上に置いて十秒後、手のひらをテーブルに載せて血色を確認。赤い人は要注意で、霜降りの人は危険信号と超悪玉コレステロールが多い可能性があるとした。

 番組前段で超悪玉コレステロールについて説明した東邦大学医学部の芳野原(よしの・げん)教授は「取材に来たスタッフに『手のひらで分かるんですよね』と尋ねられ『血液を採って調べないと分からない』と答えた」と言う。同教授は番組全体は知らされていなかった。放送された番組には手のひらチェックがあり「そんなことで分かるはずがない。専門家の意見を無視した内容だ」とあきれたという。

 さらに番組では「手のひらの血色チェックは、超悪玉コレステロールができる原因となる肝機能の低下をみるためだとも理由づけていたが、そのような判断ができるという理論は医学界には存在しない」としている。

 関西テレビは「過去の分についてはまとまった段階で回答をしたいので個別のケースには答えられない」としている。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070131/mng_____sya_____010.shtml

関連

発掘!あるある大事典 - Wikipedia

日本テレワーク - Wikipedia

SLAPP WATCH

大企業や団体など力のある勢力が、反対意見や住民運動を封じ込めるために起こす高額の恫喝訴訟をSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)といいます。


代表的なSLAPPとして、細木和子が週刊現代に対して6億円の損害賠償を求めた裁判がある。
この件は、細木が参考人に暴力団員を呼びつけるなど自爆したあげく、提訴を取り下げている。

細木数子 魔女の履歴書 (講談社プラスアルファ文庫)

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コメント

 本件訴訟の争点は、中日新聞側に、報道内容が「真実か真実と信ずるに足りる相当な理由があったかどうか」である。つまり、中日新聞側では、手のひら判定法がインチキであることを立証するか、ちゃんとした取材をしたということを立証すればいい。
 後者について、本当に中日新聞がちゃんとした取材をしていて、かつ、現実に「まるで認めているかのように編集された」のであれば、中日新聞側でその教授の尋問を申請するなどすれば相当な理由があったことを立証すること極めて容易はずなのに、判決では「真偽を確かめる取材をした形跡がない」と判断されているわけだから、その取材をしていなかったことはほぼ間違いない。
 となると、中日新聞側では手のひら判定法がインチキであることを立証するしかない。医学的な理論は分からないが、現実「そのような判断ができるという理論は医学界には存在しない」なら、それなりの専門家の意見書ないし証言を証拠として提出すれば立証はできるはずなのに、それについても「判断するに足る証拠がない」と判示され失敗している。
 結局のところ、このような判決を書かざるを得なかった裁判官よりも、真実性の立証に失敗した中日新聞側の代理人に問題があると思われる。

 裁判官は、基本的に裁判で提出された資料からしか判断できない。
 いくら「あるある」で多くのねつ造が発覚したとしても、それを前提に裁判をすることはできないのだから、「あるある」には多くのねつ造があることを前提に、それと整合しない判断をした裁判を「大誤判決」と決めつけるのはあまりにも短絡的にすぎる。
 

 ところで、「大誤判決」ってどう読むんだ?

投稿: | 2008/12/27 10時04分

立証責任

裁判を経験してないと、分からないと思うが

本当に、提出された証拠のみで争うので

立証出来なければ負ける事もよくある事

立証には専門家を雇わなければ成らない事も多く

費用対効果として諦めた方が安く付く事も多々ある

また、裁判所もその様に和解にもって行きたがる

投稿: カフェコロ | 2008/12/27 12時17分

誤判が誤判がすすむくん

投稿: | 2008/12/30 19時18分

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