マクドナルド法務部 最弱伝説
任天堂の法務部が強いことで定評があるなら、マクドナルドの法務部は弱いことで定評がある。
勝ち目のある戦いにしか手を出さないのが任天堂なら、マクドナルドは勝ち目のない戦いに手を出すどころか、100%勝てるといわれた戦いでも負け戦に変える。
イギリスのマクドナルドの前で、グリーンピースのメンバーがマクドナルドを批判するチラシを配っていた。
怒ったマクドナルドは、そいつらを名誉毀損で訴えた。
大企業対個人という資金の差、その上イギリスの法律は名誉毀損された側に有利にできている。
誰が見てもマクドナルドの圧勝と思われた裁判だが、思わぬ抵抗に遭う。
アリと巨人の裁判をマスコミがおもしろがって書きたて、被告はホームページを作って告発する。
裁判は長期化したあげく、何とかマクドナルドが勝利を収めたものの、その間にイギリスでのイメージは大きく低下し、失業中の被告からは賠償金も取ることができなかった。
アメリカのドライブスルーでコーヒーをこぼしたおばあちゃんが、やけどをしたのはマクドナルドに責任があるとして訴えた。
どう考えてもマクドナルドが勝ちそうなこの裁判だが、結果はおばあちゃんが勝利した。
この話はアメリカの裁判制度のダメっぷりを示す話としてよく語られているが、詳しい事情を聞くと少し印象が変わってくる。
マクドナルドは他社に比べて20度も熱いコーヒーを出していたこと。
おばあちゃんは重度のやけどを負い、一週間入院して皮膚移植を受けたけど、ひどい傷害が残ったこと。
マクドナルドが治療費として800ドルしか提示しなかったから訴えたこと。
同様の事例が700件あったのに、いっこうに対策を講じていなかったこと。
マクドナルドがちゃんと事故が報告された後に対策を講じていれば、治療費をけちらずにいれば、裁判に負けるようなことはなかっただろう。
二重の意味で法務部のミスといえる。
詳しい事情を知ればマクドナルドにも十分非があると思われるこの裁判だが、なぜかおばあちゃんが悪者になって伝えられている。
広告費をマスコミに納めた御利益だろうか。
日本のマクドナルドの店長が未払いの残業代を求めて訴えた。
地裁は残業代を支払うようマクドナルドに命じたが、マクドナルドは控訴した。
この裁判はマスコミで「名ばかり管理職」の問題として大きく取り上げられ、マクドナルドのイメージを大きく損なった。
素直に支払えばイメージダウンは最小限に留められたものを、勝ち目が薄いのにわざわざ控訴する意味が分からない。
このように滅法裁判に弱いマクドナルドだが、一つだけ完全勝利した裁判がある。
それは太って病気になったのはマクドナルドの食品に原因があるとして訴えた裁判。
世論はマクドナルドに同情的で、少女が太ったのは自己責任だとした。
表層的に伝えられたニュースだが、少女の弁護士はマクドナルドが食品の栄養について十分な情報を与えていなかったことと、ハッピーセットのおまけでこどもたちをあつめていることが問題だと主張していた。
裁判の後、マクドナルドは商品の栄養価を表示するようになり、類似の裁判を禁じる食品個人責任法(チーズバーガー法)が制定された。
これで肥満の原因としてマクドナルドが訴えられることはなくなったのだが、これとハッピーセットのおまけにポケモンがついてくるようになったのは関係ないですよね、きっと。
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